
こんにちは!!2年目作業療法士の「ぽこぽこ」です!!
新人作業療法士のみなさん、こんな悩みありませんか??
新しく脳卒中の患者さんを担当することになったあなた。「あれもこれも評価しなきゃ…」と項目ばかり並べて、いざ患者さんの前に立つと「結局、何から始めればいいの!?」とパニックになっていませんか?
実は、1年目の時の私も全く同じでした。評価項目を詰め込みすぎて、限られたリハビリ時間内に終わらず、先輩に「で、結局この人の課題は何なの?」と突っ込まれて絶句する日々…。
当時の私に足りなかったのは、評価の「優先順位」でした。
この記事では、脳卒中リハの基礎となる初期評価チェックリストと、私が試行錯誤してたどり着いた「4ステップの優先順位」を図解付きで解説します。この記事を読み終える頃には、自信を持って評価計画を立てられるようになっているはずです!
1. 脳卒中の初期評価で「優先順位」が大切な理由
脳卒中の患者さんは、発症直後で疲れやすかったり、高次脳機能障害で長時間の検査が難しかったりします。
「全部やる」のは正解ではありません。「今、その患者さんの生活を守るために必要な情報は何か」を抜き出すのが、プロの作業療法士への第一歩です。
優先順位がわかると、こんなメリットがあります。
- 患者さんの負担を最小限に抑えられる
- 多職種(看護師やPT)に的確な伝達ができる
- ゴール設定の精度が上がり、無駄のない介入ができる
2. 回復期OTが進めるべき「4ステップ」の評価フロー
「何から見ればいいか」を解決するのが、この4ステップです。「安全」→「尊厳」→「機能」→「未来」の順で進めていきましょう。

Step 1:命と安全
視点:この患者さんは、病棟で一人にして大丈夫か?
転院直後は環境の変化により、せん妄や転倒のリスクが急増します。まずはリハ室での機能訓練よりも、「病棟での安全確保」が最優先です。
- 離床の可否と持久力: 車椅子座位を30分保持しても血圧低下(起立性低血圧)や過度な疲労がないか。
- ナースコール操作: 「困ったときに助けを呼べるか」。物理的にボタンが押せない場合は、環境設定を即日行います。
- リスク行動の予測: 「ブレーキ・フットレストを忘れて立ち上がらないか」といった、高次脳機能障害に起因する事故リスクを最短で把握します。
Step 2:尊厳とケア
視点:人間らしい生活の土台が整っているか?
「トイレに行きたい」「自分で食べたい」という基本的欲求を自力で、あるいは最小限の介助で叶えることは、リハビリへの意欲(モチベーション)に直結します。
- 排泄動作の自立度: 下衣の着脱、お尻の拭き取り、移乗が自立するかどうか。
- 食事姿勢(シーティング): 誤嚥を防ぎ、かつ上肢が使いやすい姿勢を作ります。フットサポートに足がついているか、テーブルの高さは適切かを確認します。
- 整容動作: 自分の力で顔を洗う、歯を磨くといった「朝のルーチン」をどこまで行えるか評価します。
Step 3:機能と予後
視点:機能回復の限界と可能性はどこか?
病状が落ち着いたこの時期に、詳細な検査を行い、「最終的にどのような生活スタイル(ゴール)を目指すか」を決定します。
- 運動麻痺と感覚の精査: 上肢が「実用手(日常生活で使える)」になるか、「廃用手(健側で代償する)」になるかの見極め。これにより、早期の利き手交換の必要性を判断します。
- 高次脳機能のADL投影: 机上検査の結果を動作に結びつけます。「左無視があるから食事の左側を残す」「注意障害があるから移動中に転倒しやすい」といった因果関係を特定します。
- 疼痛と関節可動域: 回復期は訓練量が増えるため、肩手症候群などの痛みが出やすい時期です。痛みの出現はリハビリを停滞させるため、早期の予防的評価が不可欠です。
Step 4:生活と社会
視点:病院の外にある「その人らしい暮らし」に戻れるか?
病院内での動作自立の先にある、QOL(生活の質)と社会復帰を見据えた評価です
- 家屋環境のリアルなシミュレーション: 自宅環境をもとに、実際の段差やトイレの幅をリハ室で再現し、動作確認します。
- IADL(応用動作): 調理、買い物、公共交通機関の利用、復職に向けたタイピング入力など。
- 役割と趣味(意味のある作業): 「また畑仕事がしたい」「孫を抱っこしたい」といった、本人にとって価値のある活動を評価し、プログラムに組み込みます。
「なぜ麻痺の評価(Step 3)より先に、安全の確保(Step 1)が必要なのか?」
麻痺を治すことに必死になりすぎて、ナースコールが押せない不安を見落としてしまうと、患者さんとの信頼関係は築けません。まずは「今の生活の困りごと」を解決し、安全な土台を作ること。それが、回復期OTに求められる最も重要な役割です。
▼自宅環境を知るための家屋評価についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
3.要注意!新人OTが初期評価でやりがちな「3つのミス」
理想のフローがわかっても、実際の臨床ではパニックになりがちです。1年目の私が実際にやってしまった、よくある失敗例とその解決策を紹介します。
① 検査結果の「数値」だけ取って満足してしまう
「BRSはステージⅣ」「HDS-Rは20点」とカルテに書くことだけで終わっていませんか?
解決策: 数値を取ったら必ず「それがADLにどう影響しているか」をセットで考えましょう。
例:「左無視があるから、車椅子移乗時に左ブレーキを忘れて危ない」まで繋げるのがOTの評価です。
② 患者さんの「疲労」を無視してフル評価を強行する
新人さんほど、1回のリハビリ時間で全て終わらせようとして患者さんをヘトヘトにさせてしまいます。
解決策: 評価も治療の一部です。疲労が見えたら「今日はここまで」と切り上げる勇気を持ちましょう。Step 1(安全)が最優先であることを思い出して!
③ 「机上検査」ばかりを優先して「動作」を見ない
高次脳機能検査のキットを持ってリハ室にこもっていませんか?
解決策: 回復期OTの本質は生活にあります。まずは病棟での「トイレ動作」や「食事場面」を観察しましょう。検査キットの結果よりも、実際の動きの中に一番のヒントが隠れています。
▶各ADL動作の評価についてこちらの記事で詳しく解説しています。
4. 【保存版】脳卒中 作業療法 初期評価チェックリスト完全版
臨床の現場でそのまま使える項目を一覧表にまとめました。
| カテゴリ | 評価項目 | 具体的なポイント |
|---|---|---|
| 全身状態 | バイタル、意識、栄養状態、耐久性 | 離床許可基準を守れているか? |
| 身体機能 | BRS(麻痺)、感覚、ROM、疼痛、浮腫 | 肩の亜脱臼や腫れはないか? |
| 高次脳・精神 | 注意、無視、失認・失行、認知、病識 | 指示が入るか?左側の見落としは? |
| 基本動作 | 寝返り、起き上がり、座位保持 | 非麻痺側を効率よく使えているか? |
| ADL | 食事、整容、更衣、排泄、移乗、スマホ | FIMの点数だけでなく「質」を見る |
| 背景・環境 | 職業、趣味、住居形態、家族の介護力 | どんな生活に戻りたいのか? |

「できる」と「している」のギャップに注目
リハビリ室で麻痺側の手を使って食事が「できる」としても、病棟ではスプーンだけで「している」かもしれません。OTは、病棟での「リアルな生活」を評価し、環境を整えるのが仕事です。
5. 【無料特典】初期評価チェックリストPDFダウンロード
「この記事を毎回開くのは大変…」という方のために、臨床で持ち運べるA4サイズのチェックリストPDFを用意しました!!バインダーに挟んでおけば、患者さんの前でフリーズした時にチラ見するだけで次の一手がわかります!
⚠️ チェックリスト活用の注意点
このリストはあくまで「脳卒中評価の基礎」をまとめた一例です。
- 個別性の配慮: 疾患部位や合併症により、必要な評価項目は一人ひとり異なります。
- 職場のルール優先: 病院ごとに指定の書式やがあるため、まずは自院のマニュアルを優先してください。
まずはこの記事で「評価の土台」を学び、現場の状況に合わせて柔軟に活用していってくださいね!
6. まとめ:基礎を固めて「選ばれるOT」になろう
初期評価は、患者さんの人生を再構築するための「地図作り」です。
最初はパニックになっても大丈夫。この4ステップとチェックリストを使い倒して、少しずつ自分のものにしていってください。
基礎をしっかり押さえておけば、3年後には「あの人に任せれば安心」と言われる優秀なOTになれます。後輩ができた時、自信を持って指導している自分の姿を想像してみてください。
この記事が、あなたの第一歩を支える力になれば嬉しいです!
7. よくある質問(FAQ)
Q:高次脳機能検査をいつやるべきか迷います。
A:まずは動作観察(食事や更衣)から当たりをつけ、具体的な課題が見えた3日目以降に机上検査を行うのがスムーズです。
Q:失語症があって指示が入らない時の評価はどうすればいい?
A:机上検査にこだわらず、「動作観察」と「非言語的コミュニケーション」をフル活用しましょう!
8. おすすめ関連記事
▼さらに知識を深めたい新人さんへおすすめの本
本記事は作業療法の一般的な知識をわかりやすく解説することを目的としています。
実際の治療やリハビリ内容は患者様の状態によって異なります。
必ず医師や担当療法士の指示に従ってください。







コメント