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こんにちは!!2年目作業療法士の「ぽこぽこ」です!!
先日、職場で2026年度(令和8年度)診療報酬改定の説明会がありました。
その中で、こんな説明を受けました。
📢 説明会で言われたこと
- 「これまで除外できた80歳以上の患者さんも実績指数の計算に含まれるようになったよ」
- 「FIM認知項目の除外基準が24点以下から14点以下に引き下げられたよ」
- 「歩行・車椅子とトイレ動作の点数をしっかり上げられるようにして」
説明を聞きながら、私の頭にはすぐ疑問が浮かんできました。
「そもそも実績指数ってなんやっけ??」
恥ずかしながら、2年目の私はそこからでした。
この記事では、説明会で私が感じた3つの疑問を1つずつ全部解決していきます。難しい制度の話も、なるべくわかりやすく噛み砕きます。
✅ この記事でわかること
- 実績指数とは何か・どう計算されるか
- なぜ80歳以上の除外が廃止されたのか
- 歩行・トイレ動作の点数がなぜ重要なのか
- OTとして今日からできる具体的な行動
疑問①そもそも実績指数ってなんやっけ?
まずここから整理しましょう。
実績指数とは、回復期リハ病棟が「どれだけ患者さんのFIMを改善できたか」を数値化した指標です。
この数値が、病棟の入院料区分(1〜5)や各種加算の取得要件に直結します。つまり実績指数が低いと病棟の収益が下がるという、病院にとって非常に重要な指標です。
計算式はこうなっています
📐 実績指数の計算式
(退棟時FIM運動 − 入棟時FIM運動)
の合計
(在院日数 ÷ 算定上限日数)
の合計
分子・分母のポイント
大きいほど指数UP ↑
入棟時の正確な評価が重要
早く退院できるほど小さくなり
指数UP ↑
入棟時 5点以下 → 退棟時 6点以上に改善した場合
→ 分子にそれぞれ +1点の加算(両方改善で最大+2点)
※FIM運動項目の合計点(最大91点)を使う。認知項目は含まない。
算定上限日数は疾患によって異なる(脳血管疾患180日・運動器150日など)
分子が「FIM利得(どれだけ改善したか)」、分母が「在院日数の比率(どれだけ早く退院できたか)」です。
つまり「短い入院期間でFIMを大きく改善した」患者が多いほど実績指数は高くなります。
入院料ごとの実績指数の基準(改定後)
| 入院料区分 | 改定前 | 改定後(2026年6月〜) |
|---|---|---|
| 入院料1 | 40以上 | 42以上(+2) |
| 入院料2 | 基準なし | 32以上(新設) |
| 入院料3 | 35以上 | 37以上(+2) |
| 入院料4 | 基準なし | 32以上(新設) |
| 強化体制加算(入院料1のみ) | なし | 48以上(新設) |
全区分で基準が上がり、入院料2・4には新たに基準が設けられました。「実績指数さえ気にしなければOK」という逃げ道がなくなった改定です。
疑問②なんで80歳以上が除外対象でなくなったの?
「うちの病棟、80代の患者さん多いのに…これ、かなりきつくない?」
説明会を聞いて、これが一番ピンときました。回復期病棟で働いていると、80代の患者さんは決して少なくないからです。
改定前後の除外基準の変化
| 除外の種類 | 改定前(〜2026年5月) | 改定後(2026年6月〜) |
|---|---|---|
| 年齢による除外 | 80歳以上は除外可 | 廃止:全年齢が対象 |
| FIM認知による除外 | FIM認知24点以下は除外可 | 厳格化:14点以下のみ除外可 |
| 除外できる割合 | 入棟患者の30%まで | 縮小:入棟患者の20%まで |
| FIM運動20点以下 | 重症患者としてカウント+除外可 | 重症カウントから除外・実績指数にも含まれる場合あり |
なぜこの変更が行われたのか
改定前は「高齢=改善が難しい=除外」という構造でした。病棟が「どうせ良くならない患者を除外して実績指数を守る」という運用が広がっていたのが実態です。
厚労省が問題視したのはここです。
📋 改定前に起きていた「いいとこ取り」の問題
- 80歳以上の患者を受け入れて入院料は確保する
- でも実績指数の計算からは除外して、指数を守る
- 結果として「高齢患者へのリハビリの質」が評価されない
今回の改定のメッセージはシンプルです。
「80歳でも90歳でも、改善できる介入をしてください。年齢を理由に諦めないでください。」
OTとして、これは正直なところ「そうだよな」と思いました。高齢だからこそ、適切な介入で生活が変わる場面を私も経験してきたからです。
FIM認知の除外基準「24点以下→14点以下」の意味
FIM認知項目は5つの下位項目(理解・表出・社会的交流・問題解決・記憶)それぞれ7点、合計35点満点です。
| FIM認知合計点 | 認知症の重症度の目安 | 改定後の扱い |
|---|---|---|
| 29〜35点 | 正常〜軽度 | 実績指数の対象(変わらず) |
| 15〜28点 | 軽〜中等度 | 改定後から実績指数の対象に追加 ★ |
| 14点以下 | 重度 | 引き続き除外可 |
改定前は「FIM認知24点以下の中等度認知症」も除外できましたが、改定後は「14点以下の重度認知症」のみ除外可能になりました。
つまり軽〜中等度の認知症患者さんへの介入が、そのまま実績指数に反映されるようになったということです。
💡 OTにとって何が変わるか
認知症があっても、ADL改善・高次脳機能訓練・環境調整でFIMを上げる介入の質が、病棟評価に直結するようになりました。「認知症があるから改善が難しい」ではなく、「認知症があるからこそOTが関わる意味がある」という視点が求められています。
疑問③歩行・トイレ動作の点数が大事な理由って何?
「なんで歩行とトイレ動作だけ特別扱いなの?」
説明会では「歩行とトイレ動作の点数をしっかり上げて」と言われましたが、最初はなぜこの2項目が特別なのかわかりませんでした。
新設された「加点ルール」とは
今改定で新設されたのが、FIM運動項目の一部への加点制度です。
📐 2026年改定で新設された加点ルール
「歩行・車椅子」または「トイレ動作」が
入棟時5点以下 → 退棟時6点以上に改善した場合
それぞれ分子に+1点加算
※どちらか1項目のみの改善でも加点対象
両方改善すれば最大+2点の加点
FIMの5点と6点の違いを確認しておきましょう。
| FIM点数 | 内容 | 実用的な意味 |
|---|---|---|
| 5点 | 監視・準備 | 誰かが見ていないと危ない |
| 6点 | 修正自立 | 補装具や手すりを使えば1人でできる |
| 7点 | 完全自立 | 何も使わず1人でできる |
5点→6点は「監視が必要」から「修正自立」への移行です。生活の質という意味でも、介護負担という意味でも、この1点の差は非常に大きい。
そして厚労省がこの2項目を選んだ理由も明確です。歩行とトイレ動作は「在宅復帰できるかどうか」に最も影響する項目だからです。
OTとしてこの加点にどう関わるか
「歩行はPTの仕事」と思っていませんか?確かに歩行訓練はPT中心ですが、トイレ動作はOTの専門領域です。
| OTの介入内容 | 実績指数への影響 |
|---|---|
| トイレ動作の評価・動作指導・環境調整 | トイレ動作5→6点で+1点加算 |
| 手すり位置・補高便座などの環境整備の提案 | 修正自立(6点)の達成を後押し |
| 更衣・整容など周辺ADLの自立支援 | FIM運動項目全体の改善に貢献 |
| 高次脳機能訓練による手順理解・遂行能力の向上 | トイレ・食事等のFIM改善の土台を作る |
トイレ動作の「5→6点」を達成するための介入——手すりの位置確認、下衣操作訓練、立位・座位バランスの強化——はまさにOTが主導できる場面です。
入棟時のFIM評価が「すべての起点」になる
実績指数はFIM利得(退棟時−入棟時)で計算されます。ということは、入棟時のFIM評価の精度が、実績指数の正確さを左右します。
⚠️ よくある間違い
「できそうだから5点にしておこう」はNG。FIMは「現在の最低限の介助でしているか(しているADL)」を評価するもの。入棟直後の状態を正確に記録することが、退棟時の利得を正確に反映させる唯一の方法です。
特に「歩行・トイレ動作」については入棟時に5点以下かどうかが加点の分岐点になります。
📝 入棟時のFIM評価で押さえるポイント
【歩行・車椅子の評価】
「今日の状態で実際に歩行させてみたら何点か」を評価する。「回復したら歩けそう」ではなく「今できてしているか」が基準。入棟当日〜3日以内に実施し記録に残す。
【トイレ動作の評価】
実際にトイレ動作を観察して評価する。「病棟スタッフに聞いた情報だけ」で評価しない。ズボンの上げ下げ・移乗・後始末まで一連で確認する。
【FIM認知の評価】
改定後は14点以下のみ除外可。認知機能の評価を入棟時にしっかり実施し、点数の根拠を記録に残す。「なんとなく低そう」では算定根拠にならない。
説明会のあと、私が感じたこと
説明会が終わったあと、担当している80代の患者さんのことを考えました。
脳梗塞後で、トイレ動作は入棟時に5点。歩行は4点でした。
「80歳以上は除外できた」改定前なら、この方は実績指数の計算に入らなかったかもしれない。でも今後は入ってくる。
正直、最初は「プレッシャーが増えたな」と感じました。
でも同時に「この患者さんのトイレ動作が6点になったら、どれだけ生活が変わるか」とも考えました。修正自立になれば、トイレだけは自分でできる。その1点が、本人の尊厳につながる。
実績指数のための介入ではなく、患者さんの生活のための介入をしていれば、結果として指数もついてくる——そう信じて今日も関わっています。
明日から現場でやるべきこと
| やること | 目的 | タイミング |
|---|---|---|
| 入棟時のFIM評価を3日以内に実施・記録する | 実績指数の起点を正確に作る | 入棟直後 |
| トイレ動作を実際に観察して評価する | 加点対象の入棟時5点以下を正確に把握 | 入棟1週間以内 |
| トイレ動作5→6点を目標に環境調整・動作指導を行う | 加点ルールを活用して実績指数に貢献 | 入院中継続 |
| FIM認知の評価根拠をカルテに記録する | 除外・非除外の算定根拠を守る | 入棟2週間以内 |
| 80代・認知症患者の目標設定を丁寧に行う | 除外に頼らず改善実績を出す介入計画を立てる | 入棟カンファレンス |
他の改定変更点もチェックしておこう
実績指数の変化は、2026年改定の変更点のうちの1つです。関連する記事もあわせて読んでみてください。
【2026年改定】高次脳機能障害が重症患者に!OTの評価が病棟を救う
【2026年改定】離床なしリハビリは1割減算!OTが感じた5つの疑問を全部解決
まとめ
📌 この記事のまとめ
- 実績指数=「FIM利得÷在院日数比率」で計算される病棟の成績表
- 80歳以上の除外廃止・FIM認知除外基準の厳格化・除外割合の縮小と、全体的に実績指数が厳しくなった
- 「歩行・トイレ動作が入棟時5点以下→退棟時6点以上」でそれぞれ+1点の加点(新設)
- トイレ動作の5→6点達成はOTが主導できる介入
- 入棟時FIMの精度がすべての起点。過大評価はNG
- 「年齢を理由に諦めない介入」が制度としても求められる時代になった
改定のたびに基準が上がるのに、給料は変わらない…そんな方へ
💼 「実績指数のプレッシャーは増えたのに、
給料は据え置き」と感じていませんか?
2026年改定で実績指数の基準が引き上げられ、80歳以上の除外も廃止されました。OTへの期待と責任は確実に増えています。でも給料が追いついていない現場も多いのが現実です。
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給料・年収についてはこちらも参考にどうぞ。
【2026年最新】作業療法士の給料は上がる?リハ職の処遇改善(賃上げ)の仕組みを2年目OTが徹底解説!!
よくある質問(FAQ)
Q. 5月31日以前に入棟した80歳以上の患者さんは、改定後も除外できますか?
はい。経過措置により、2026年5月31日以前に入棟した患者さんには改定前の基準(80歳以上除外あり)が適用されます。6月1日以降に入棟した患者さんから新ルールが適用されます。
Q. 歩行・トイレ動作の加点は、入棟時に5点以下でないと対象になりませんか?
はい。加点のルールは「入棟時5点以下→退棟時6点以上」の改善が条件です。入棟時から6点以上の患者さんは加点の対象になりません。
Q. 歩行・トイレ動作の加点はどちらか一方だけでも対象になりますか?
はい。疑義解釈(その2)で「どちらか1項目のみの改善でも加点対象」と確認されています。両方改善すれば最大+2点の加点になります。
📚 参考文献・引用元
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(2026年)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 疑義解釈資料の送付について(その1)」(2026年)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 疑義解釈資料の送付について(その2)」(2026年)
- 公益社団法人 日本作業療法士協会「令和8年度診療報酬改定に関する情報」(2026年)
https://www.jaot.or.jp/
⚠️ 免責事項
本記事は、2026年度(令和8年度)診療報酬改定における実績指数の変更について、現役作業療法士の視点でわかりやすくまとめたものです。記事の内容は執筆時点(2026年6月)の情報をもとにしており、その後の通知・疑義解釈の追加によって内容が変更される場合があります。実際の算定・請求・施設基準の届け出については、必ず最新の厚生労働省通知および所属施設の医事課・管理者にご確認ください。本記事の内容を参考にした結果生じたいかなる損害についても、当ブログは責任を負いかねます。


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