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こんにちは!!2年目作業療法士の「ぽこぽこ」です!!
先日、職場で2026年度(令和8年度)診療報酬改定の説明会がありました。
その中で、こんな説明を受けました。
「離床なしリハビリは1割減算になりました。対象患者は1日2単位までです。」
そして実際に、私が担当する患者さんの一人が減算対象となりました。
そのとき、頭の中に一気に疑問が湧いてきました。
🤔 説明会の後、私が感じた5つの疑問
- そもそも「離床なし」の基準って何?
- 端座位やギャッジアップ座位はどうなるの?
- 高次脳機能障害のある患者さんも減算なの?
- ベッドサイドでのROM訓練はどうなるの?
- カルテの書き方はどうすればいいの?
「1割減算」という言葉のインパクトは大きい。でも実際どこまでが対象で、どこからがセーフなのかがよくわからない。
この記事では、私が感じた5つの疑問を1つずつ全部解決していきます。
✅ この記事でわかること
- 「離床なし」と判定される基準と除外される患者
- 端座位・ギャッジアップ座位は減算対象になるか
- 高次脳機能障害・ROM訓練はどう扱われるか
- 減算を回避できるカルテ記載の書き方
そもそも「離床なし減算」とはどんな制度?
2026年6月から始まった新しいルールです。内容をシンプルにまとめるとこうなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 疾患別リハビリ料(脳血管・廃用・運動器・心大血管・呼吸器)を算定する入院患者 |
| 減算の条件 | 「特定の患者」に対して、離床を伴わずに20分以上の個別療法を実施した場合 |
| 減算の内容 | 所定点数の90%(1割減算) |
| 単位数の制限 | その日は1日2単位までしか算定できない |
「特定の患者」という言葉が制度のカギです。全員が対象なのではなく、条件を満たした患者だけが減算になります。
この「特定の患者」の定義と除外条件が、現場では一番わかりにくいポイントです。
「特定の患者」って誰のこと?除外される患者は?
まず「特定の患者=減算対象」の定義から整理します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 減算対象(特定の患者) | ポジショニング・拘縮予防など他動的な訓練のみを、離床を伴わずに行っている患者 |
| 減算対象外(除外患者)① | 救命救急・ICU・HCU・SCU等の急性期系病棟に入院中の患者 |
| 減算対象外(除外患者)② | 早期リハビリ加算・初期加算・急性期リハビリ加算のいずれかを算定中の患者 |
| 減算対象外(除外患者)③ | 15歳未満の小児で、疾患・状態によりベッド上からの移動が困難な患者 |
| 減算対象外(除外患者)④ | 医師が「3単位以上の個別療法が医学的に必要」と特に認めた患者(ベッド上移動が困難な場合) |
つまり減算対象は「拘縮予防・ポジショニングなどの他動的訓練だけをベッド上でやっている患者」に絞られます。
逆に言えば、それ以外の目的のある介入はすべて除外対象外。ここが重要です。
疑問①端座位・ギャッジアップ座位はどうなるの?
「ギャッジアップや端座位でリハビリしてたら減算されないの?」
✅ 答え:ギャッジアップ座位でのリハビリは減算されない
「ポジショニングや拘縮予防等を目的とした他動的な訓練以外を行っている」場合は「特定の患者に該当しない」と明記されています。
具体的に言うと、ギャッジアップ座位での以下の介入はすべて減算対象外です。
| 介入の種類 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ギャッジアップでの注意訓練・認知訓練 | ◎ 対象外 | 他動的訓練以外の目的がある |
| ギャッジアップでの上肢機能訓練(麻痺手) | ◎ 対象外 | 他動的訓練以外の目的がある |
| 端座位での座位バランス訓練 | ◎ 対象外 | 離床を目指した介入に含まれる |
| 臥位→座位への段階的な起き上がり訓練 | ◎ 対象外 | 離床を目的とした介入 |
| 拘縮予防のみの他動ROM訓練(臥位) | ✕ 対象 | 他動的訓練のみ・離床なし |
大事なのは「端座位かどうか」ではなく「介入の目的が拘縮予防以外を含むかどうか」という判断軸です。
疑問②離床を目指したけど端坐位に届かなかったら?
「起立性低血圧で端座位まで持っていけなかった日は減算になるの?」
✅ 答え:減算されない
「離床を目指して臥位→座位の訓練を進めたが、結果的に端坐位に至らず終了した場合」でも、「ポジショニングや拘縮予防等を目的とした他動的な訓練以外を行っている」ため特定の患者に該当しないと明記されています。
つまり「離床を”目指した”介入」は、結果がどうであれ減算されません。
ポイントは、その意図をカルテに残すことです。「端坐位を目指したが起立性低血圧のため臥位で終了」と書いてあれば、監査でも説明がつきます。
疑問③高次脳機能障害のある患者さんも減算なの?
「ギャッジアップで認知訓練や注意訓練してても減算になるの?」
これが私が一番気になった疑問でした。
✅ 答え:減算されない
「ベッド上でギャッジアップして高次脳機能障害・構音障害などの言語療法を行った場合」は「特定の患者に該当しない」と明示されています。
OTが行う高次脳機能障害への訓練——注意訓練・記憶訓練・遂行機能訓練・認知機能訓練——はすべて「他動的訓練以外」に該当します。
ただしここでもカルテの書き方が重要です。「ベッドサイドで実施」とだけ書くのではなく、何の目的で何をしたかを明記する必要があります。
疑問④ベッドサイドでのROM訓練はどうなるの?
「脊髄損傷の患者さんへの他動ROM、減算になるの?」
ROM訓練については、目的と内容によって判定が変わります。
| ROM訓練の種類・目的 | 判定 |
|---|---|
| 拘縮予防のみの他動ROM(離床計画なし・長期継続) | ✕ 減算対象の可能性あり |
| ADL訓練・動作練習に向けた準備としてのROM | ◎ 対象外 |
| 医師が「3単位以上必要」と特記した多関節ROM訓練(脊髄損傷等) | ◎ 対象外 |
| 早期加算・初期加算を算定中の患者へのROM | ◎ 対象外 |
純粋な「拘縮予防のための他動ROM」を長期間ベッド上でのみ実施し続けるケースが、この減算の主な対象です。
脊髄損傷など多数関節への積極的なROM訓練が医学的に必要な患者は、医師の特記により除外患者として扱えます。 医師と連携して記録を残しておくことが重要です。
疑問⑤カルテの書き方はどうすればいいの?
「結局、カルテに何を書けば監査で守られるの?」
この改定で、カルテ記録の書き方は算定の根拠を守る上で非常に重要になりました。
ポイントは、「なぜベッド上なのか+介入の目的+実施内容」の3点セットを書くことです。
📝 減算を回避できるカルテ記載 例文集
【例1】離床を目指したが臥位で終わった場合】
「端坐位耐久性向上を目的に臥位→座位のステップアップ訓練を実施。起立性低血圧(座位30秒でBP80/50)により端坐位に至らず臥位で終了。次回も継続して段階的な離床を目指す。」
【例2】ギャッジアップ座位での高次脳訓練】
「ギャッジアップ60°座位にて注意機能訓練を実施(TMT-A、キャンセレーション課題)。座位保持は安定しており訓練に集中できていた。注意障害が日常生活動作の遂行に大きく影響しており、ADL改善に向けて継続的な介入が必要と判断。」
【例3】ADL訓練の準備としてのROM訓練】
「更衣動作自立を目的に、肩関節・肘関節の他動ROM訓練を実施。ROM改善後に臥位→座位→上肢挙上での更衣動作練習へと移行。拘縮改善はADL自立に向けた準備段階として実施。」
【例4】医師特記が必要なケース(脊髄損傷)】
「主治医の指示のもと、頸髄損傷により多関節の可動域拡張訓練が医学的に必要と認められ実施。両上肢・両下肢の計12関節への他動ROM訓練を施行。医師による3単位以上必要の記録あり(〇月〇日)。」
共通しているのは「なぜそこでそれをやったか」が読めばわかるように書くことです。点数だけ算定して内容が薄いカルテが、最もリスクが高くなります。
私の担当患者が「減算対象」になった理由
説明会の後、担当患者さんのリハビリ内容を見直しました。
その方は廃用症候群の患者さんで、全身状態が安定しない時期が続いていました。ベッド上での他動ROM訓練と体位変換の指導を中心に介入していた時期があり、積極的な離床への働きかけが不十分な期間がありました。
そのケースは今回の改定で減算対象となり、1日2単位までの制限がつきました。
正直、最初はショックでした。でも冷静に考えると「そりゃそうかも」とも思いました。
漫然と他動ROMをやり続けているだけでは、患者さんの生活は変わらない。離床を目指す明確な意図と計画が必要だったんです。
「離床なし減算」は罰則ではなく、「離床に向けて動けていますか?」という問いかけだと私は受け取りました。
改定後、私はその患者さんのリハビリ計画を組み直しました。医師・看護師と「いつ・どのように離床を進めるか」を確認し、段階的な離床プランをカルテに記録しました。
明日から現場でやるべきこと
| やること | 目的 | タイミング |
|---|---|---|
| 担当患者の介入内容を見直す | 「拘縮予防のみ」になっていないか確認 | 今週中 |
| 離床プランを医師・看護師と共有する | 「なぜ離床できていないか」の医学的根拠を整理 | 次のカンファレンス |
| カルテ記録に「目的と理由」を必ず書く | 監査対応と算定根拠を守る | 今日から |
| 除外患者(医師特記)が必要な場合は依頼する | 医学的に必要な介入を減算から守る | 必要に応じて随時 |
他の改定変更点もチェックしておこう
「離床なし減算」は2026年改定の変更点のうちの1つです。他の変更点や関連する記事はこちらから確認できます。
【2026年改定】高次脳機能障害が重症患者に!OTの評価が病棟を救う
まとめ
📌 この記事のまとめ
- 「離床なし減算」は拘縮予防等の他動的訓練のみを行う患者が対象
- ギャッジアップ座位での高次脳訓練・認知訓練は減算対象外
- 離床を「目指した」介入は、結果が端坐位に届かなくても減算されない
- ベッドサイドROMは目的次第で判定が変わる。医師特記で除外も可能
- カルテには「なぜベッド上か+介入目的+実施内容」の3点セットを書く
- この改定は「離床に向けて動けていますか?」という問いかけ
ぽこぽこの正直な感想
説明会でこの話を聞いたとき、最初は「また面倒なことが増えた…」と思いました。
でも5つの疑問を調べていくうちに、この改定が「意味のない介入をやめて、患者さんを本当に変える介入をしよう」というメッセージだと気づきました。
ベッド上での他動ROMをただこなすだけでは、患者さんは変わらない。離床を目指した計画的な介入があってはじめて、生活が変わっていく。
減算を恐れるより、「この患者さんに今必要なことは何か」を考え続けることが、結局は最強の対策だと思っています。
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よくある質問(FAQ)
Q. ギャッジアップ30°でROMをやった後に認知訓練もした場合、減算されますか?
減算されません。「拘縮予防以外の目的を含む介入」が入っていれば、その単位全体が除外対象外となります。ただし、カルテに「認知訓練も実施した」という記録が必要です。
Q. 廃用症候群の患者さんは全員「特定の患者」になりますか?
なりません。廃用症候群でも、離床を目指した介入・認知訓練・ADL訓練など目的のある介入を行っていれば対象外です。拘縮予防のみの他動的訓練だけを行っている患者が対象になります。
Q. この改定はいつから適用されていますか?
2026年6月1日から施行されています。5月31日以前から入院している患者への適用タイミングは施設の運用確認をおすすめします。
📚 参考文献・引用元
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(2026年)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 疑義解釈資料の送付について(その1)」(2026年)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 疑義解釈資料の送付について(その2)」(2026年)
- 公益社団法人 日本作業療法士協会「令和8年度診療報酬改定に関する疑義解釈(その2)について」(2026年)
https://www.jaot.or.jp/
⚠️ 免責事項
本記事は、2026年度(令和8年度)診療報酬改定に関する情報を、現役作業療法士の視点でわかりやすくまとめたものです。記事の内容は執筆時点(2026年6月)の情報をもとにしており、その後の通知・疑義解釈の追加によって内容が変更される場合があります。実際の算定・請求については、必ず最新の厚生労働省通知および所属施設の医事課・管理者にご確認ください。本記事の内容を参考にした結果生じたいかなる損害についても、当ブログは責任を負いかねます。


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